ピラビタール

息をこらえて 目を閉じて 夜のふちへ

2019-01-01から1年間の記事一覧

自然、食物連鎖について言うべきこと

苗野「……という理由から、私は動物を食べるべきではないと思っています」 先生「でも、ヒトは何万年も何十万年も前から動物を食べて生きてきたんですよ」 ため息が出る。興味を持って質問してくれた人に対しては、なるべく丁寧に説明してみることを心掛けて…

人類をあらしめよ?

破壊される地球環境と、日々殺戮される動物たちを憂い、人類の絶滅を願う声を聞くことがある。「いっそのこと人類が絶滅してしまえばよいのだ」。しかし、言ってみれば極めて「ナイーブな」その解決策に対する、無責任であるとの批判も聞く。滅びる前に、地…

事実とか価値とか

あにまるえしっくすのアカウントで、noteを少しづつ公開しています。先ほど、「事実とか価値とか」というタイトルで掲載しました。こちらにも、全文を載せます。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 『講座 あにまるえしっくす』第0回「倫理学を始めよう!」…

反共感論

夏休みです。先週までの札幌は夜も眠れない猛暑でしたが、ここ数日は涼しく穏やかな晴天が続いています。しかし、今朝の南区のヒグマ射殺のニュースで、内心は穏やかではないです。野生動物との共生の問題についても、あにまるえしっくすで議論しなければな…

種差別と合理的な区別

動物愛護、動物保護、動物の権利に関わる議論では、「種差別」という単語が頻出する。そして「種差別」という語の意味するところが人によって異なっていたり、曖昧であったり、感情的に使用されたりするため、議論は時に不毛になる。「種差別」概念を受け入…

価値判断の無限連鎖を避ける5つの戦略

学校が始まりました。憂鬱です。あと少しで獣医になれるみたいです。本当になれるんでしょうか。twitterのアカウントを一時削除しましたが、これは一時的なものです。ちょっと集中したいことがあって、時間を奪われてしまうので、一旦削除しただけで、2~3…

「である」と「べき」の断絶 その3

「である」と「べき」の断絶 その2 のつづき 世界保健機構(WHO)によると、大麻やマリファナの使用がもたらす健康面への急性の影響として、認知能力の発達や精神運動機能への障害があるという。また、慢性の影響として以下のようなものが挙げられる。認知…

「である」と「べき」の断絶 その2

「である」と「べき」の断絶 その1 のつづき 『講座 あにまるえしっくす』第5回では、人間の道徳的地位の特権性や種差別を、事実判断を根拠に正当化しようとする推論について、反論を行う予定である。我々が反論すべきこの推論は、事実判断のみを前提とし…

「である」と「べき」の断絶 その1

ゆび子さんの労力によって、先日『講座 あにまるえしっくす』第4回「人間はそんなに特別なのか?」とコラム2「#トランス女性は女性です」を公開することができました。そしてコラム2では、「事実判断から価値判断を導く」という議論の問題について第5回…

ビーガンという生き方

漫画『講座 あにまるえしっくす』の作画担当者が、第3回よりおにぎりさんから紡音ゆび子さんに交代しました。2月6日に第3回「どうして犬を蹴ってはダメなのか?」を公開し、2月12日にコラム1「動物が好き?いいえ、正義の問題です」を公開しました*1。コ…