ピラビタール

息をこらえて 目を閉じて 夜のふちへ

倫理学

「種差別」という概念

動物倫理は現代倫理学の分類に従えば応用倫理学の一分野である。私達は動物とどう接すればよいのか、私達と動物のあるべき関係はどのようなものかを考察する。義務論や功利主義といった規範理論を駆使し、動物実験、肉食、ペットショップの問題、動物園や水…

ムーアの未決問題論法

「ひいおばあちゃん」とは「親の親の母」のことである。(性の多様性のことを考えればそう言い切るのは問題だが、ここではその点には目をつむってほしい。)「ひいおばあちゃん」という概念は「親の親の母」という概念へと分析される。ある対象Xについて、…

獣医学と動物倫理と

獣医学部に入学してから1年と半年くらいが過ぎました。倫理学や分析哲学の勉強をしながら、ときどき獣医学もがんばっています。倫理学の中でも、特に興味深く学んでいるのは動物倫理です。 倫理学には以前から興味がありましたが、獣医学部に入るまで、動物…

環境と動物の倫理

今回紹介するのは田上孝一『環境と動物の倫理』です。先月読んだ本なのですが、せっかくなので忘れないうちに自分なりにまとめておくことにしました。本書は6つの論文からなる論文集ですが、その主題は全体的には「環境倫理学における動物の問題」であり、…

倫理のうしろのうしろ

「倫理学の教科書」というと、今までは2種類あったように思われます。規範倫理学をメインに扱う教科書と、応用倫理学をメインに扱う教科書です。前者では、ベンサムやミル、カントといった大思想家の学説がまず紹介され、社会契約論、徳倫理学、ケアの倫理…

デイヴィッド・ベネターの「誕生害悪論」概略

こんばんは。苗野さんです。昨夜の記事では、ベネターの反出生主義とその核心たる「誕生害悪論」によって導かれる結論であるところの、人類絶滅論や中絶推進論を紹介しました。しかし、ベネターがどのような議論によって誕生害悪論を示したのかを説明しなく…

デイヴィッド・ベネターの反出生主義

先日の記事の最後で、「反出生主義」なる思想があることを紹介しました。「私たちは子供を産むべきではない」という考え方であり、その根拠は論者によりさまざまです。現在その論者として特に有名なのは南アフリカの哲学者デイヴィッド・ベネターであり、『…

生命倫理と反出生主義

2016年5月17日に、「生殖を禁止しましょう」という記事を書きました。この記事で私は、以下のような論理から、人類が生殖を控えるべきことを主張しました。 生殖・出産は親の利己的行為である。生まれたいかどうかという子供の自由意志を無視しているからだ…

動物実験に関わる獣医倫理およびナントカカントカ

動物倫理について勉強を始めました。「肉食の是非」、「動物飼育の問題」や「野生動物をめぐる問題」など色々なテーマがあります。すべてに興味がありますが、今後の自分に直接関わりが深そうなのはおそらく「動物実験」でしょうね。 獣医倫理・動物福祉学―…